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 8月31日は「8 ・31=やさい」で「野菜の日」。そこで、今回のよみうりヘルスケア・コンパニオンでは、2日間にわたって、夏の〝旬野菜〞の栄養価や健康効果、その活用法などについて特集します。
 1日目の今日は、医学博士で管理栄養士の京都光華女子大学健康科学部・廣田孝子教授に、野菜が健康にいい理由、その秘密やメカニズムについて語っていただきます。夏の疲れが出がちなこの時期、積極的に野菜を取ることで抗加齢と健康長寿を目指してみませんか。

 夏の旬野菜には、私たちを紫外線や暑さから守ってくれる機能があるというのをご存じでしょうか。それには理由があります。

 動物は暑さから逃れようと思ったら、木陰に隠れることができます。一方、植物は動けないので、夏の強い太陽の日差しや紫外線、暑さから逃れる方法はありません。では、植物はどうやってこれらから身を守るのか。実は植物は、紫外線の強すぎる悪い影響だけを無害化できる特有の機能を持っているのです。言い換えれば、夏の旬野菜こそ、暑さに対抗する機能を備えているといえます。私たちは、暑い夏においしく野菜を食べることで、これらの機能成分が獲得でき、体内で紫外線や暑さから守る成分として働かせることができるのです。

 それでは、そんな優れものの夏野菜たちを紹介しましょう。機能成分の多くは、野菜の色素部分に多く含まれています。「だから、昔から色のついた緑黄色野菜を食べましょうといわれるのね」と思われた方も多いはず。それは、色のついた野菜にはカロテンが多く、体内でビタミンAに変わるからです。要するに、「ビタミンが多いから緑黄色野菜を食べるのが良い」とされているのです。

 カロテンも重要ですが、最近、注目されているのは、紫外線や病虫害に負けないように働く抗酸化作用を持つ成分です。私たちの老化の原因は「細胞がさびるから」、すなわち「酸化(不安定化した酸素が結合)されるから」ということも分かってきました。老化を遅らせるための抗酸化作用(酸化を防ぐ)のある物質も解明されつつあります。

 強すぎる紫外線や暑さは体内で酸化や老化を進めます。野菜や果物の成分には抗酸化作用を持つ成分が含まれ、特に夏野菜にこの成分が多いのです。抗酸化成分は、色素に多く、赤いトマトやスイカの「リコピン」、赤いパプリカの「カプサンチン」、黄色いパプリカの「アスタキサンチン」、黄色いトウモロコシは「ゼアキサンチン」、紫のナスやブルーベリーには「アントシアン」という抗酸化物質が多く含まれています。その他、青ピーマン、ゴーヤ、ズッキー二、トウガンに「ビタミンC」、サヤインゲンに「カロテン(ビタミンA)」が多く含まれ、これらを食べると、抗酸化作用が私たちの体の内側から紫外線や暑さによるダメージをブロックしてくれるのです。

 また、いつまでもすっきり視野を確保したい「目」ですが、夏の強い紫外線には弱く、誰でも年齢とともに、白内障や黄斑変性症が起こるといわれています。目の奥の光を感じる網膜の部分には、黄色の「ゼアキサンチン」、光を感じる色素の「レチナール(ビタミンA)」が含まれています。暑い夏に、これらの夏野菜がとてもおいしく感じられるのは、こういった私たちの体が自然と欲する成分が含まれているからでしょう。

 とはいえ、くれぐれも「野菜さえ取っていれば安心」だとは思わないでください。これらの成分が効率良く働くには、酵素を形成するたんぱく質やビタミンB群、E、ミネラルも必要なので、一緒に魚介類、肉類、豆類、果物なども摂取することをお忘れなく。

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