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 10月は「乳がん月間」です。乳がんは日本人女性の12人に1人が生涯に患うといわれる身近な病です。乳がんから健康を守るには、早期発見・早期治療が最も大切ですが、もし大切な人が乳がんになったら、どのように支えればよいのか。2015年2月、妻・奈緒さんを乳がんで亡くした読売テレビのアナウンサー・清水健さんに聞きました。

――2016年2月に出版した手記では、第1子妊娠直後に奈緒さんの乳がんが発覚、出産を諦めるという選択肢もあった中、治療と出産を両立させ「3人で生きる」ことを選んだ家族の日々をつづっています。反響はどうでしたか。
 「本を閉じた後、自分の子どもや妻、夫、大切な人の顔を思い浮かべた」と言ってもらえるのが一番うれしいです。「一緒にいられる今この時を大切にしてほしい」という僕の思いを少しでも感じ取ってもらえれば出版した意味があるのかなと思います。

――9か月余りの闘病生活で、奈緒さんをどのように支えてこられましたか。
 妻の抱える不安や悩みを全部背負ってあげたいと思ってずっとそばにいました。けれど、一番つらいのは自分なのに一切弱音を吐かなかった妻に結局、僕が支えられていたんですね。お互い何も言わなくても気持ちが伝わり、寄り添い、支え合ってきたのが僕たち夫婦の形でした。闘病の形はさまざまなので正解はありませんが、一緒に泣いて笑って希望を持って、時間を共有することが支えになると思います。
 また、医療に従事する方たちの支えも大きな力になりました。探し回った結果、出産と治療を両立できる病院、子どもと一緒に過ごせる病院など、自分たちに合った環境を整えられましたし、妻の思いを分かってくれる先生方にも出会えました。亡くなって1年半以上たった今も妻に会いに来てくれる先生もいます。先生方を信じて頑張る妻の姿が、強い信頼関係を築いたのでしょう。

――2016年4月、一般社団法人清水健基金を設立。寄付を募っています。
 自分が当事者になってから、病と向き合って懸命に闘っている方が大勢いることに気づかされ、少しでもエールを送りたいと思いました。頂いた寄付金は、がんや難病対策に取り組む団体などで役立ててもらいます。お金だけではなく、皆さんからの思いをしっかり届けます。

――清水さんの考える、病気との向き合い方とは。
 闘病や悲しみにピリオドはなく、僕自身もまだ闘い続けています。でも家族や仲間が必ず救ってくれるので、1人で悩まないでください。今病気と闘っている方は、支えてくれる家族や仲間を信じて、弱音を吐いてもいいんですよ。家族の方はそれを受けとめ、一緒に希望に向かって信じてあげてください。また、乳がんは、早期発見、早期治療ができればすぐに最悪のケースには至りません。大切な人のためにも、自分の体のケアをしっかり心がけてほしいですね。

一般社団法人清水健基金事務局

  06-6765-5139(平日10時〜18時) 
http://www.清水健基金.com

乳がん早期発見のために

まずは関心を持つことから

 乳がんは早期発見であれば約90%の人が治癒しますが、放置しているとがん細胞が増殖して乳腺の外にまで広がり、肺や肝臓、骨など、乳房から離れた臓器にまで転移してしまいます。
 日本での患者数は年々増えており、30歳代後半から徐々に増加し、40~60歳代でピークを迎えます。亡くなる人もこの50年間で約7倍に増えており、昨年は1万3584人が命を奪われました。若い年代が乳がんにかかる率も上昇しているため、早くから関心を持つことが大切です。特に祖母、母、姉妹などの家族が乳がんにかかったことがある人は、その体質を受け継いでいる可能性があることを知っておきましょう。また、初潮年齢が早い、閉経が遅い人、あるいは初産年齢が遅い、出産経験がない人も乳がんの発症に関係する女性ホルモン「エストロゲン」にさらされる期間が長くなるため注意が必要です。

毎月1回セルフチェックを

 乳がんは自分で発見できる数少ないがんの一つです。早期発見のために月1回のセルフチェックを欠かさず、マンモグラフィー (乳房エックス線撮影)やエコー(超音波)による定期検診を受けましょう。セルフチェックは、月経が終わってから数日後、閉経後の人は毎月決まった日に、鏡を見たり触ったりしながら、しこりや分泌物、へこみなどがないかを確認します。20歳を過ぎたら毎月の習慣にし、少しでも異常があれば乳腺専門医の診察を受けてください。
 国の指針では、40歳以上の女性を対象に少なくとも2年に1回のマンモグラフィー検査を推奨しています。自治体が無料クーポンを配布して行う検診のほか、専門病院での受診も可能です。きちんと検診を受けて早期発見することが、乳がんから自分自身を守ることにつながります。

もし乳がんが見つかったら

 治療法は年々進歩しています。入院期間は短くなり、多くの治療は通院で受けることができるようになりました。また、手術による乳房の変形、抗がん剤による脱毛や吐き気など、不安なことが多いとは思いますが、乳房再建手術や補正下着、ウィッグや新しい吐き気止めなどで、これまでと変わらない生活が送れるように支援していきます。勇気をもって乳腺専門医を受診してください。

(監修:大阪府立成人病センター)

 

あなたと、あなたの大切な人のために。
乳がん検診(病院・施設)一覧

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