製鉄所や自動車工場など、大きく重いモノを運ぶ現場で活躍するのがTSUBAKIの大形コンベヤチェーンだ。何十トンもの鋼材、600度にまで熱せられた鉄の塊……。モノづくりの現場を力強く支えるチェーンは、使われる業界の幅広さ、用途の多彩さから、2万種にも及ぶ。「産業用チェーンなら定年までの40年間、飽きずに設計し続けられる」。男性中心の技術部に、重裕美は胸躍る気持ちで飛び込んだ。

 入社4年目。重が新規に描く設計図は月に20件を下らない。顧客の要望を満たすだけでは不十分。もっと機能的に、もっと強度を上げて。期待を超える提案に向け、技術とセンスを磨く毎日だ。汎用性を高めた設計でコストを抑え、製造やメンテナンスのしやすさを考えることも重要。飽きないどころか、常に新しい視点が求められていると痛感する。納入先でのチェーン点検は、実際にどんな用途、どんな場所でチェーンが使われているかを学ぶ絶好の機会。安全ベルトが欠かせない危険な現場であるほど、そこで力強く動く自社のチェーンを誇らしく思う。

 重は今、食品を直接載せて運ぶコンベヤチェーンの開発に挑戦中。厳しい衛生管理が要求される食品工場では、わずかなさびや摩耗粉も許されない。材質選びなどゼロから始める難しさはあるが、開発できれば、他業界にも用途が広がることは間違いない。

 この世にない新しいチェーンを開発してみせる。確かな決意が、重を動かす。

德重 裕美(チェーン製造事業部 技術部)

 高校・大学時代は、動画サイトで、歯車の製造過程や旋盤加工の映像を見るのが好きでした。設計の仕事は、頭の中でイメージをふくらませながら、カタチにしていくことが楽しいです。イメージに対し実際の部品製作がうまくいかないこともありますが、仕事終わりや休日にジムに通って自分の筋肉に思いをぶつけ、リフレッシュと仕事に必要な体力づくりに励んでいます。

2019年11月5日 読売新聞夕刊 掲載

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