パネルディスカッション帯状疱疹から自分と家族を守るために

パネリスト 川島 氏/生島 ヒロシ 氏/雨宮 塔子
進行 田村 あゆち 氏 フリーアナウンサー

田村 生島さんは60代で、雨宮さんは20代で帯状疱疹にかかりました。

川島 20代で発症するのは珍しいですね。圧倒的に多いのは50代以降で、60~70代になると若い人の3~4倍の頻度で発症します。

雨宮 テレビ局勤務時代に数回、今でもたまに人差し指に赤い発疹が出るんですけど、これは帯状疱疹の再発なんでしょうか?

川島 繰り返し出るのであれば、帯状疱疹ではなく、ほかの湿疹などが考えられます。ただ、人生100年時代の今、帯状疱疹に2度、3度とかかる人もいます。ぜひ気を付けていただきたいですね。

雨宮 帯状疱疹は何科を受診すればいいんでしょう。

川島 皮膚病なので皮膚科になりますが、発症時は痛みだけということもあります。ですから、内科や整形外科の受診後に発疹が現れて、皮膚科で診断がつく場合が多いですね。帯状疱疹は早く治療を開始することが何より大事です。今は良い薬もありますので、なるべく早く受診してください。

田村 家族も異変に気付いたら、病院に行くように強く勧めたいですね。

生島 発症させないためには、何が一番重要なんでしょうか?

川島 帯状疱疹については、これだという明らかな発症原因がないことが多いのです。逆に言うと、いつ何時(なんどき)、誰が発症してもおかしくはありません。ただ、免疫力を落とさないよう、疲労をためないように普段から十分な睡眠を取ることが大切です。風邪などほかの病気に免疫力を奪われてもいけないので、月並みですが、きちんと体調管理をすることです。

生島 冬場は特に体調管理に気を付けているんですが、寒さは帯状疱疹の発症に影響しますか?

川島 水ぼうそうが流行すると、帯状疱疹ウイルスに対する免疫力が上がるということを考えると、寒冷期は水ぼうそうがさほど広がらないので、発症リスクは高まるといえますね。また、寒冷により自律神経に変調を来して、免疫力を落とすということもあります。

生島 免疫力を高めるにはもう一つ。やはり前向きなラテン気質!(笑)。これですよ。

田村 基調講演では、予防の選択肢の一つとしてワクチンの話も出ました。

川島 50歳以上でまだ帯状疱疹にかかったことのない人を対象に、予防ワクチンが承認されました。発症リスクがゼロになるわけではないですが、安全性も発症リスクが半減する効果も確認されていますので、予防対策の一つとして考えてよいと思います。

田村 ここで、本シンポジウムに応募された方からいただいた質問をご紹介します。

【質問❶】「帯状疱疹にかかりやすい、再発しやすいのはどういう人ですか?」

川島 免疫力が落ちている可能性のある病気をもともと持っている方は、かかりやすいといえます。予防ワクチンの接種を検討したり、早期発見・早期治療を心掛けてください。

【質問❷】「帯状疱疹による神経麻痺(まひ)にかかっています。帯状疱疹の合併症にはどんなものがありますか?」

川島 帯状疱疹による神経麻痺は、完全回復とまでいかなくとも徐々に戻ります。ただ、眼球がうまく動かせない動眼神経麻痺など重要な場所に麻痺が起こることもあり、その場合は専門医と連携して治療することになります。

【質問❸】「帯状疱疹を早く発見するコツは?」

川島 体の片側だけに痛みを感じて、その1、2日後に赤いブツブツが現れたら帯状疱疹を疑って、なるべく早く受診をすることです。治療薬を発疹が現れて72時間以内の患者さんに使用すると、十分な効果が得られます。

田村 最後に、帯状疱疹や合併症に悩まれている方へメッセージをお願いします。

川島 一番の大きな悩みは、痛みが残っていることだと思います。ネット上にはさまざまな情報があふれていますが、我々医療関係者としては、エビデンスが十分ではない治療法は勧められません。やはり効果が証明された治療法を提供できる皮膚科医やペインクリニックの医師に相談していただきたいと思います。

田村 今日得た知識を、ぜひご家族やご友人とも共有して皆さんの健康に役立てていただければと願っています。

■profile■
たむら あゆち ミシガン大学卒業(生化学専攻)。東京大学大学院医学系研究科修士課程修了(人類遺伝学専攻)。小学校から大学までの10年間、オーストラリア、アメリカに滞在。遺伝子研究から転身後、テレビ・ラジオ出演のほか、健康・医学系のシンポジウムのコーディネーターとしても活躍。

主催:読売新聞社
共催:武田薬品工業株式会社
後援:公益社団法人日本医師会、一般社団法人日本感染症学会、公益社団法人日本皮膚科学会、一般社団法人日本ペインクリニック学会