国連で採択された「持続可能な開発目標(SDGs)」の2030年の達成に向け、地域単位の横断的枠組みとしては全国で初めて設立された「関西SDGsプラットフォーム」が12月、発足から1年を迎える。セミナーやシンポジウム、パネル展示など主催・後援イベント数は70近くに上り、参加団体数は400を超えるなど、SDGsの認知度アップを目標に掲げたスタート年は、順調な滑り出しをみせた。関西からSDGsのうねりを全国に広げようと、2年目に向けた活動への準備は着々と進んでいる。

発足から3倍超に

 「関西SDGsプラットフォーム」はJICA関西、経済産業省近畿経済産業局、関西広域連合を事務局とし、2017年12月に発足した。当初の参加数は141団体だったが、イベントごとに問い合わせが増え、今年11月1日時点で434団体と3倍超に増加。内訳は企業が265、NGO(非政府組織)やNPO(非営利組織)などの市民団体が92、自治体や政府系機関が48、大学など教育関係機関が29と多種多様な産学官民が名を連ね、広がりをみせはじめた。

国連本部でパネル展示も

 7月9~18日には、SDGsの進捗(しんちょく)状況を報告しあう「国連ハイレベル政治フォーラム」が米ニューヨークの国連本部で開かれ、同プラットフォームの活動が初めて海外で披露された。フォーラムには日本を含め計46か国の閣僚らが参加し、200を超えるサイドイベントが催された。同プラットフォームは日本政府主催のレセプション会場でパネル展を実施。SDGsに取り組む関西の活動事例をまとめた13枚のパネルが展示され、国内外の招待客やメディアから注目を集めた。

 国内でも毎月、17の各ゴールにつながる課題解決をテーマにした講演会やシンポジウム、セミナーやワークショップを開催。SDGsが、19年に大阪で開かれる主要20か国・地域(G20)首脳会議、25年に大阪に誘致を目指す万国博覧会(万博)の主要テーマにもなることから、関連する自治体や団体と協力し、周知するイベントも開いてきた。

広がる交流 深まる理解

 これまで交わる機会がなかった団体同士が連携する受け皿としても、同プラットフォームは一役買っている。国連の提唱するグローバル・コンパクトを推進する東京の一般社団法人は、これまで関西への足がかりがなかったが、同プラットフォームを通じて関西の中小企業向けに情報を発信。サプライチェーンの労働環境や人権、環境保全に配慮する「CSR調達」をテーマに勉強会や工場見学を企画するなど、地域を超えた活動につながった事例もある。

 「SDGsについて深く考えるきっかけにできた」「参加前は得体(えたい)が知れなかったSDGsを身近に捉えられるようになった」「日常生活にSDGsをどう落とし込めるか、自分なりに消化できた」――。一般向けのシンポジウムなどで来場者に聞いたアンケートでは、SDGsの認知度アップに手ごたえを感じる声も多数寄せられている。

セクターを超えたつながりに期待
若い世代へのアプローチも必要

 関西には「三方よし」(売り手よし、買い手よし、世間よし)の精神が古くからあり、SDGsが根付く土壌がある地域だと感じています。一つ目の目標に据えたSDGsの周知については、発足から月を経るごとに参加団体数が増え、関西での広がりを実感しています。

 2年目に向けては、二つ目に掲げた「出会ったことがない組織が連携し、新たな協力関係や革新的なアイデアの創出、取り組みにつなげる」という目標に、周知活動と並行して力を入れていきたいと考えています。私たちが最も期待するのは、セクターを超えたつながりです。大学と企業、市民団体、または、企業でも異業種同士が垣根を超え、情報公開、意見交換をし、SDGs達成のより具体的なアクションにつなげていく。プラットフォームはそうした活動の後押しの場として、大きな可能性を秘めていると思います。

 また、SDGs達成には、目標年とされる2030年の未来社会を担う若い世代へのアプローチが不可欠です。小中学生の時期からSDGsに触れるきっかけとなるような活動への発展も視野にいれていく必要があります。17のゴールは関係性を持ち、複雑に絡み合っています。多様なゴールにたどり着くよう考えを深め、自発的な関心や問題意識でこの活動が盛り上がっていってほしいと願っています。

SDGs達成に向け ビジネス分野から

 ビジネスの視点からSDGsの推進を目指そうと、関西SDGsプラットフォームの分科会として立ち上がった「関西SDGs貢献ビジネスネットワーク」。近畿経済産業局が主体となり、会員企業・団体同士が業種を超えて連携できるよう講座やワークショップなどを催している。同局所管の2府5県で開催する「関西SDGsキャラバン」では、先行して取り組む企業の発表から、新たな事業の着想のヒントやノウハウを共有している。