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 2025年には、65歳以上の日本人の5人に1人が認知症になるといわれています。認知症の人とその家族を応援する「認知症サポーター」の養成講座が、3月7日、読売京都ビル(京都市中京区)で開かれ、市民ら約50人が参加。「認知症の人と家族の会」から講師を迎え、認知症になっても安心して暮らせる社会の実現に向けて理解を深めました。

あいさつ

4月に京都で国際会議

 「認知症の人と家族の会」は京都で生まれ、現在は全国に支部を持つ組織です。認知症の人や介護する家族同士が交流する場を設けたり、電話相談に乗ったりという活動をしています。認知症はもはや人ごとではなく、大きな社会問題の一つです。4月には国際アルツハイマー病協会と私たちが主催する国際会議が京都で開かれるなど、世界的にも関心が高まっています。このセミナーを通して、認知症を理解し、支える人になってもらいたいと思います。

講義

関係でいられない認知症 周囲の理解や協力が支えに

 認知症は予防法、治療法が確立されていないため、誰にでも起こりうる、誰もが介護家族になる可能性がある病気です。私自身、姑(しゅうとめ)の介護を長年した経験があります。

 認知症になると、記憶力・理解力・判断力・計算力などの知的能力、時・場所・人などの見当識、予測・段取りし実行する能力が衰えていきます。そのため、初期の段階では、「同じことを何度も言う・問う」「約束の日時や場所を間違える」「探し物ばかりしている」などの症状が表れます。

 地域で暮らしていくには、周りの理解や協力が必要です。近所の人、金融・交通機関で働く人、趣味の会で付き合う人などが少し気にかけて、手伝ったり声をかけたりするだけで大きな支えになります。周囲のサポートと介護サービスがあれば、住み慣れた地域である程度までは暮らすことができるのです。

明・説得ではなく本人の気持ちに寄り添う

 一方で、感情、プライド、羞恥心、長年の知恵、体で覚えたものは認知症になってもあまり衰えません。私の姑は器用な人で、認知症になってからも、体が覚えているジャガイモの皮むきなどは上手にできました。しかし、手順を踏んで料理を作り上げることはできません。私はやりたがっているのはわかるので、できる部分だけお願いをします。ただ、姑は嫁の私に言われたことに素直に従えないプライドがあって「今忙しいから後で」と言い、その後すぐに頼まれたこと自体を忘れてしまうのです。

 このように、しっかりした部分と衰えた部分が混在し、時と場合によって出方が違うため対応が難しいのです。衰えていない部分を思いやり、尊厳ある人として接する一方で、衰えにより、時間・空間を飛び越えてしまうことを理解し、説明・説得するよりも本人の気持ちに寄り添っていくことが大切です。

 この講座を受けられた皆さんには、認知症の方や介護する家族を温かい目で見守ってほしいと思います。何か特別なことをするわけではなくても、例えば道に迷っている人がいたら声をかけてみる、そんな人が増えれば世の中はずいぶん違ってくるはずです。

 参加者の声 

 近所で認知症の92歳の女性が独り暮らしをしているので、どう接していけばいいか学びたいと思い受講しました。とてもプライドの高い方なのですが、認知症になっても衰えない部分があるという話を聞き、納得できました。様子を見に行ったり声をかけたり気を配っていこうと思います。(76歳・女性)

 祖母が認知症、母が若年性認知症のため、介護のヒントにしようと受講しました。私自身が医療職のため、学校で基本的なことは勉強していましたし、自分でも調べていましたが、さらに詳しく正しい知識が学べてよかったです。学んだことを持ち帰って家族で共有します。(35歳・女性)


森下仁丹は、認知症をともに考える
「よみうりオレンジアクション・キャンペーン」
を応援しています。