大学のまち、京都での学びがより国際的に―。京都市が大学の国際化を支援する「京(みやこ)グローバル大学」促進事業に、市内の10大学が採択されました。新年にあたり、門川大作市長に狙いやかける思いについてお聞きしました。

(2017年1月1日 読売新聞大阪本社版朝刊 掲載)

地域から学びを活性化

 新年おめでとうございます。
 京都市は、歴史、文化、ものづくりの都市として、世界に知られていますが、市内に38の大学・短期大学が集積し、約14万7千人、率にして人口の約10%と、政令市等の中では最多の学生さんが学ぶ「大学のまち」でもあります。20年以上も前に、各大学と連携し、全国に先駆けて「大学コンソーシアム京都」を立ち上げ、大学政策を京都のまちづくりの中枢に据えております。
 今日、大学は、知的拠点として世界中から優秀な研究者や学生が集い、異文化への寛容性を持ってグローバルに活躍する人間を育むとともに、大学の特性を生かした国際競争力(共創力)の向上が求められています。こうした課題は、国だけではなく、自治体も取り組むべきと考え、昨年度に経済界、大学、日本語学校、専修学校、行政等によるオール京都での「留学生スタディ京都ネットワーク」を立ち上げるとともに、今年度においては新たに「京グローバル大学」促進事業を始めました。
 

 本事業では、留学生の誘致をはじめ、日本人学生の海外留学派遣、交換留学にもつながる海外大学との提携など大学及び学生の国際化を促進する取り組みに対して、京都市が支援し、世界を視野に「大学のまち・京都」の取り組みを、大学と連携を深めて推し進めていく。そんな思いが込められています。

文化の力で日本を元気に

 多くの大学から応募いただき、国際化への大学の関心の高さと、大学を挙げて積極的に国際化を促進される熱意を感じ、心強く思っています。どの取り組みも各大学の特長や強みが生かされた、英知と熱意にあふれた素晴らしいものばかりです。

 昨年、京都はもとより関西の長年の悲願であった文化庁の関西・京都への全面的な移転が決定されました。関西広域連合、関西の経済界、自治体等が一丸となって、オール関西で誘致に取り組んできた賜物であり、皆様と喜びを分かち合うと共に、責任の重さも実感しています。文化、経済、大学、観光等を融合し、文化で全国の地方創生を牽引していかねばなりません。
 これからも、オール関西での連携を深め、関西から文化の力で未来を切り開き、日本全体を元気にしていきたいと考えています。

10人に1人が大学生 38大学が交流

 京都市には38校の大学・短期大学があり、14万7千人の学生が学んでいる。10人に1人が大学生となり、政令市等の中では全国トップだ。取り組みもユニークで、平成6年には全国初の大学間連携組織である大学コンソーシアム京都を設立。単位互換事業やインターンシップ事業など、全国に先駆けた様々な事業を実施してきた。
 同市は「大学政策」を重要施策に掲げ、平成32年度までに留学生を1万5千人という目標に向け、留学生誘致にも力を入れている。

 今回の「京グローバル大学」促進事業は、留学生の受け入れはもちろん、日本人学生の海外留学派遣、交換留学にもつながる海外大学との連携など、各大学が実施する国際化を促進する取り組みに対して市が後押しをするもの。
 同市の藤原正行総合企画局長は「京都市は、都市の理想像である『世界文化自由都市宣言』において、『全世界のひとびとが、人種、宗教、社会体制の相違を超えて、平和のうちに、ここに自由につどい、自由な文化交流を行う』と掲げています。京都に多くの留学生が集い、市民との異文化交流が進むことは、大学自体の活性化にとどまることなく、市民の異文化に対する理解やまちの活性化にも大きく寄与するのでは、と期待しています」と語る。

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