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  • 尾崎氏×落合氏

(左)尾崎 裕(おざき・ひろし)氏 大阪商工会議所 会頭
1950年生まれ
。東京大学工学部卒業後、大阪ガスに入社。ガス製造・発電事業部長、エネルギー事業部長などを経て2008年に代表取締役社長、15年4月から代表取締役会長。同年12月、大阪商工会議所会頭に就任。
(右)落合 陽一(おちあい・よういち)氏 メディアアーティスト 筑波大学学長補佐・准教授
1987年生まれ。東京大学大学院学際情報学府博士課程修了。研究者としては2015年米国ワールドテクノロジーアワード受賞、アーティストとしては16年アルスエレクトロニカSTARTS PRIZE受賞。言論など幅広い分野でも活躍する「現代の魔法使い」。

来場者に”価値ある情報”提供

  • 尾崎氏 未来志向で課題に挑戦

――日本での万博開催の意義は。

尾崎 テーマは「いのち輝く未来社会のデザイン」。万博を「未来社会の実験場」としてとらえ、日本の持つ技術や知見で、世界の様々な課題を解決する糸口を探る場にしたいと考えています。情報通信技術(ICT)が発達し、瞬時に情報のやり取りができる時代、単に珍しいモノを世界から集めてきて見せるだけでは意味がありません。万博に参加する人たちを課題解決のプロセスに巻き込んでいくような工夫が必要です。

落合 賛成です。先を見通すということであれば、社会的な課題を技術でどのようにして解決できるのか、その具体的なソリューションを見たいです。
 25年には次世代通信規格「5G」が普及しているはずで、スマートフォンの通信速度も今より飛躍的に向上している。そうした中で現地にわざわざ出かける行為そのものが問われる時代になっていると思います。逆に言えば、万博会場でしか体感できない情報の詰まった“解像度の高い”コンテンツをどれだけ提供できるかが鍵です。

大阪ならではの強みを発揮

  • 落合氏 成長への希望感じさせて

――どのような特色を打ち出せるでしょうか。

尾崎 大阪・関西ではiPS細胞(人工多能性幹細胞)の研究をはじめとした先端的な医療への取り組みが盛んです。製薬会社やスポーツメーカーの本社も関西には多い。そうした大学や企業の力を合わせれば、生きること、健康であり続けるという課題に地域の強みを発揮できます。

落合 個人的には大阪・ミナミのような雑然とした街の雰囲気をアピールしてほしい。昔からある生活、いわば日本の美を変えることはなくて、技術でグローバルに、バリアフリーにすればいい。何代も続く老舗の焼き鳥屋さんで食事をして、決済はスマホで世界共通、というイメージ。ツルツルしたきれいな建物ばかりでは、つまらないものになってしまいます。

尾崎 地元で見逃していた地域の魅力を、海外からの観光客にあらためて教えてもらっています。建物の豪華さなどより、コンテンツやソフトウェア的なものでいかに魅力的なものを提示できるかが重要。来場者の多さばかり意識するのではなく、会場に来ることができなくても、ネットなどを通じて様々なイベントに参加してもらうこともおもしろいと思っています。

「進歩と進歩」に挑む

――誘致への期待を。

落合 平成はGDP(国内総生産)の停滞した30年でした。またアートやデザインの分野では、例えば北欧のシンプルさがもてはやされるなど、外来主導でした。今度の万博では日本らしさを再解釈した新たな魅力を示すことが大切です。良い意味で「日本はもはや平成ではない」ということを世界にアピールすべきです。「成長への希望」を感じさせてほしいですね。

尾崎 1970年万博のテーマは「人類の進歩と調和」でしたが、2025年万博は「進歩と進歩」です。人生100年時代、技術と人の持つ知恵やエネルギーを結集し、99歳まで進化し続ける。そんな未来志向でアグレッシブな姿を世界にシェアしたい。11月に日本開催を勝ち取り、どこまでいけるか、チャレンジしていく。これまでにない新しい未来社会の姿を見ていただきたいですね。

  • 会場イメージ図

2025年国際博覧会とは

 11月23日にパリで開かれる博覧会国際事務局総会で、日本を含む加盟170か国の投票で、ロシアとアゼルバイジャン、日本の3か国の中から開催国が決まる。日本で決定した場合は、大阪市の人工島「夢洲(ゆめしま)」で2025年5月3日から11月3日までの約半年間開催され、約2800万人の人が訪れる見込みとなっている。

 万博は当初、産業振興などを目指す「国威発揚型」のスタイルだったが、近年は地球規模の課題に対して世界中から知恵を集めて解決策を見いだす「課題解決型」へと変わってきており、日本が掲げる2025年万博のテーマは「いのち輝く未来社会のデザイン」となっている。

2025年万博 私からのメッセージ

未来の科学者たち魅了
2025年国際博覧会誘致特使
京都大学iPS細胞研究所所長・教授
山中 伸弥 さん


山中さん色紙  iPS細胞の限りない可能性に身震いした時、はるか昔の記憶が甦(よみがえ)りました。私がまだ8歳の子どもだった夏の暑い日、1970年の大阪万博の会場で、科学の達成を誇る展示物の数々に囲まれたときのことです。幼い私に、驚異の世界、命の果てない神秘の扉を、いつか開いてくれる鍵は科学に違いないと閃(ひらめ)きを与えてくれました。科学の限りない可能性に気付かせてもらった経験は、その後もずっと心に残り続け、研究者としての私の原点となっています。関西には研究機関が集積し、10名以上のノーベル賞受賞者を含む、多くの優秀な研究者を輩出しております。2025年万博が大阪で実現すれば、世界中のあらゆる場所からやってくる未来の科学者たちを魅了してやまない、驚きの実験室となるでしょう。輝く未来の科学へ向けて、2025年万博を盛り上げていきたいです。

  • 本田圭佑さん

人々と文化交流に期待
2025年国際博覧会誘致特使
メルボルン・ヴィクトリーFC
本田 圭佑 さん


 ACミランでプレーしていた時代に、ミラノ万博に行きました。ものすごく盛り上がっており、世界中の人々と文化を知ることができるいい機会だと感じました。
 大阪・関西で万博が開催されれば、世界の人々に大阪・関西のよさを知ってもらうことができます。さらには、我々日本人にとっても、世界の人々に来てもらうことで、彼らの文化を知るきっかけになり、すばらしい機会となることでしょう。
 大阪・関西での2025年万博が実現すると思っています。皆さんもぜひ2025年の万博が大阪・関西に決まるように、応援してください!

  • さいとう・たかをさん色紙

大阪へ ゴルゴも応援
「ゴルゴ13」の作者 劇画家
さいとう・たかを さん


 「ゴルゴ13」は今年、連載50年の節目を迎えました。連載開始の1年半後に開催された大阪万博で電気自動車やテレビ電話が未来の技術として紹介されて、あの時はワクワクしたもんです。本作でも、AI(人工知能)やドローンなどの科学技術を先取りして描いて、読者に夢を届けつつ、地球規模で複雑に絡み合った環境、エネルギーなど様々な国際問題をストーリーに組み込んでるんです。そんな人類共通の課題解決に向け、2025年、私のふるさとにもう一度世界中の英知が集まって、持続可能な社会作りを目指すアイデアを発信する。私もゴルゴも期待してますよ。

  • 森下竜一さん

最先端医療を体感
内閣官房 健康・医療戦略室
戦略参与/医学博士
森下 竜一 さん


森下さん色紙 2025年万博は、サスティナビリティー(持続可能な発展)実現のための技術を世界に示す「壮大な実験場」となるでしょう。医療分野では、予防医療と先進医療の先端技術を体感できるモデルルームのようなパビリオンで、日本の医療レベルの高さや、どのように世界に貢献できるのかを展開していくことになると思います。万博後にはパビリオンを病院として活用し、日本の最先端医療のメディカルツーリズム(観光医療)拠点とすることも、レガシーのひとつとして考えられます。バーチャル・リアリティー(VR)が駆使され、インターネットで世界とつながる2025年万博は、来場者だけでなく、世界中の人々と日本がつながる「世界万博」となることが期待できます。

  • 小野菜々子さん

若者のパビリオンを
京都大学総合人間学部3年生

小野 菜々子 さん


小野さん色紙 若者による万博プロジェクト「WAKAZO」で誘致活動に取り組んでいます。SNSで国内外の同世代と交流する度、国ごとに課題は様々で、若い世代だからこそ深刻にとらえ、解決に関わりたいという意欲を感じます。出展できない小国を含め、世界中の若者のアイデアを集約したパビリオンの建設が目標です。設計についてはコンペを開き、具体案の絞り込みに入りました。大学では死について研究しており、「いのち輝く未来社会のデザイン」というテーマにひかれました。死という最期を見据え、人が1秒でも長く、健康で幸せな時間を過ごすためにはどうすればいいか。医療的アプローチを含め、命について来場者に問いかけられるような展示にしたいと思い描いています。

  • 山本さん

日本のエンタメ 世界へ
NMB48

山本 彩(さやか) さん


 万博には、未来や世界と繋がる、という前向きなイメージを感じています。いま大阪は、海外からのたくさんの方が訪れるようになり、エネルギーに満ちています。
 2025年万博では、世界から大阪・関西へ来られた方々に、そんな街の雰囲気、盛り上がりや熱さを伝えたいです。そして、日本の歌やエンターテインメントの魅力についてたくさん触れてもらい、もっと知っていただきたいと思っています。
 私は10月27日でNMB48を卒業しますが、シンガー・ソングライターとして、これからも音楽や言葉を勉強して、誰もが共感していただける歌を唄い続けていきたいです。

  • ニャンブ・ナサニエル・ムペ さん

中小企業 ケニアと繋ぐ
ケニアからの留学生
同志社大学理工学研究科
ニャンブ・ナサニエル・ムペ さん


ニャンブさん色紙 JICA(国際協力機構)の長期研修員として、金属工学を学んでいます。ケニアで走る自動車の多くが日本製で、日本人の規律、協調性の高さは知られています。日本は大企業だけではなく、中小企業もすばらしい技術や信頼性の高い製品を持っていますが、ケニアではその情報が伝わらず、市場への進出が十分ではないと感じています。
 2025年万博では日本の素晴らしい取り組みをケニアや世界に伝えてほしい。日本にはホスピタリティーがあり、安全で快適、情報が容易に取得でき、食べ物もおいしいです。2025年万博ではそんな技術や暮らしの良さも知ってほしいですね。ケニアと日本の人を繋げ、新しいビジネスネットワークを作ることが夢です。

  • 中川さん

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 2025年国際博覧会(万博)の日本(大阪)誘致に向け機運が高まっています。11月の開催地決定に向け、政府や地域、民間が一体となったオールジャパン体制で様々な取り組みが進む中、万博誘致スペシャルサポーターを務める中川翔子さんと「ポケットモンスター(ポケモン)」の主要キャラクター、ピカチュウに内容や魅力について紹介してもらいました。 続きはこちら≫