2017年4月2日 読売新聞朝刊(東京本社版)

肌に優しいウィッグでがんと闘う女性を応援

 2人に1人ががんに罹患(りかん)するといわれる時代を迎え、抗がん剤治療の副作用による外見の変化、とりわけ脱毛対策が闘病生活の課題になっています。そこで、がん治療を経験したタレントの友寄 蓮さんと、女性の医療用ウィッグの製造・販売を行う株式会社グローウィングの堀江貴嘉社長が脱毛対策を中心に、闘病中の生活の質の維持について語り合いました。

16歳で白血病を発症
1年のウィッグ生活でかゆみや痛みを経験

友寄 私は高校2年生のときに急性リンパ性白血病を発症し、1年以上入院生活を送りました。退院から3年たった今は地毛が生えてきましたが、退院後1年間はウィッグをつけていました。でも当時私が買ったウィッグはつけると頭皮がかゆくて痛くて、長時間耐えられず、外出もおっくうになっていました。

堀江 病気と向き合うだけでも大変なのに、脱毛でつらい思いをして、ウィッグでもストレスを抱えていたんですね。友寄さんのような思いを抱く女性が「今まで通りの生活をしたい」と、医療用ウィッグの専門店である当社を訪ねてくださいます。

友寄 グローウィングさんの商品を手にして驚きました。こんなに軽くて、手触(ざわ)りも自然な医療用ウィッグがあるんですね。

堀江 当社の商品はいくつか特長があります。1つは人毛であること、しかもパーマや毛染めをしていないエクストラバージンヘアだけを使っています。そしてうろこ状のキューティクルを同一方向にして1本ずつ植毛しているので、自然な輝きと手触りを保っています。

友寄 頭皮に当たる部分も柔らかくて、肌触りがいいですね。以前私がつけていたウィッグは内側がナイロンだったので、ゴワゴワしてストレスを感じました。

堀江 このベース生地が当社製品の最大の特長です。肌に優しい業界初(※)のオーガニックコットン生地で、薄さと柔らかさにもこだわっており、肌ストレスのない安心・安全な品質を目指しています。

 

QOLを維持できる新商品の開発が起業のきっかけに

友寄 ストレスなくウィッグを使えれば、闘病中もQOL(生活の質)を維持できますね。

堀江 それが当社を起業したきっかけなんです。以前、急性骨髄性白血病で闘病中の母に、ウィッグメーカーに勤めていた私は商品をプレゼントしたかったのですが、看護師の方に「肌にこすれて出血したら大変だから、ナイロン製のものはだめです」と言われました。そのときの「必ず綿生地でウィッグを作ろう」という思いが商品開発につながりました。

友寄 お母さんの闘病を支える中で生まれた商品だったんですね。もう1つ私が感動したのが、お店が美容室のような明るい雰囲気だったことと、人とすれ違わないように配慮されている点です。私が通う病院の近くに医療用ウィッグのお店があったのですが、ガラス張りで誰かに見られている感覚が耐えられず、入店できませんでした。だからずっとインターネットで購入していたんです。

堀江 人目が多い場所で医療用ウィッグを選ぶのは難しいですよね。当社は個室のカウンセリングルームを設け、お客さまが試着される際はスタッフもいったん退出し、自由に試していただくようにしています。
 また前髪、サイド、バックがすべて同じ長さのノーカットウィッグをご用意し、個室のスタイリングルームでお好みの色でカラーリングし、お好みの形にスタイリストがカットをしていきます。

友寄 それは理想的です。カラーとカットの間は、いつもの自分に戻れる時間になりますね。おしゃれを諦めなくていいのは、闘病中の大きな力になると思います。

治療と仕事の両立支えることのできる
高品質なウィッグを

堀江 髪が抜けるのなら治療をしたくないという方もいらっしゃるほど、女性にとって髪は大切なものです。今は治療と仕事を両立される方も多く、周囲に病気のことを伝えていない方もおられます。そうした方の脱毛前と同じスタイルにしたいという声にお応えできるクオリティーを維持するため、カットとカラーリングをし、メンテナンスも行っています。

友寄 なぜそこまで女性の気持ちに寄り添った商品やサービスが提供できるのですか。

堀江 医療用ウィッグは安心、安全、快適に使っていただけ、QOLを維持できる商品でなければいけないという強い思いがあるからです。今は医療用ウィッグの基準が明確ではないためお客さまが困られることも多く、早く基準が定義されればと考えています。また私たちは店舗でお客さまの声を伺い、それを商品開発や接客サービスに反映しています。医療用ウィッグの専門店だからできることです。

友寄 私にとって医療用ウィッグは仕方なくつけるものでしたが、今日初めて使いたいと思えるものに出合いました。闘病中の女性に、ぜひこういった医療用ウィッグがあることを知っていただきたいです。

堀江 私たちもさらなる品質の向上に努めていきたいと思います。友寄さんもがん患者さんを励まそうと、タレント活動や講演をなさっていますよね。病気と闘う方を応援するために、お互いに努力を続けていきましょう。

確かな品質やデザインで様々な賞を受賞

 抗がん剤治療中の女性や脱毛症の女性の繊細な頭皮のためにグローウィングが業界(※)で初めて開発した製品が、オーガニックコットンのベース生地による医療用ウィッグ「witton®(ウィットン)」。国際的な有機農法の基準をクリアしたオーガニックコットンを使い、日本の紡績工場で糸から編む伝統技術を生かして製造されている。この「安心安全な品質づくり」が評価され、「第6回 国際ユニヴァーサルデザイン会議」IAUDアウォード2016 医療福祉部門銀賞受賞。また「witton®」子ども用ウィッグは、第10回キッズデザイン賞「審査委員長特別賞」を受賞するなど、高い品質や機能性・デザイン性が評価されている。

※ オーガニックコットン製品では業界初(2016年8月時点 テフコ(株)調べ)

 

闘病中の子どもたちにウィッグを贈る
「つな髪®プロジェクト」

 グローウィングが取り組む社会貢献活動の1つに「つな髪®プロジェクト」がある。寄付で集まった髪を使って医療用ウィッグを作り、闘病中の子どもたちにプレゼントする活動だ。髪の寄付「ヘアドネーション」は国内でも認知が高まりつつあるが、通常は長さが31㎝以上と決められている。しかし「つな髪®プロジェクト」では15㎝から受け付け、「髪の毛付きインナーキャップウィッグ」に再生している。小児がんや脱毛症・無毛症などでウィッグを着用して学校生活を過ごす子どもたちに無償で提供。昨年も「医療用ウィッグの日」イベントなどで、多くの子どもたちに贈った。

10月19日は「医療用ウィッグの日」

 「医療用ウィッグの日」は、グローウィングが申請し、日本記念日協会に認定された記念日。抗がん剤治療における脱毛や脱毛症(円形脱毛症)などで悩まれる方が、治療中も髪のおしゃれを楽しめるように、品質の高い安心安全な「医療用ウィッグ」の普及と「認知度」向上を目指している。

 

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